「こどもは未来」こども環境学会2018-大会レポート
- 編集長 / プロデューサー
- 半澤絵里奈
2018年5月18日~20日、『こども環境学会2018年埼玉大会』が川越市で行われました。「学術領域横断型でこどもの環境を議論する」という目的で、2004年に仙田満氏(こども環境学会代表理事)が中心となって創立されたこども環境学会。昨年の北海道大会では「遊びで育つこどもたち」をテーマに実施され、2018年の本大会は「こどもは未来」をテーマに、こどもの住環境、保育・教育環境、医療現場での環境に至るまで、基調講演、パネルディスカッション、研究結果の展示等が行われました。
3日間に渡った大会では、1日目にエクスカーション(野外調査)として、川越周辺の徒歩ツアー/バスツアーが開催され、2・3日目にウェスタ川越にて大会本プログラムとして、基調講演/シンポジウム/研究発表・展示が行われました。大会には、建築、環境設計、保育・教育などを専門領域とする方々が多く集まり、加えて、今年度は医療現場におけるこども環境のテーマを扱い、医療関係者の方々の参加も見受けられました。
cococolor編集部も大会に参加・取材をしてきましたので、何回かに渡りこのこども環境学会のレポートを致します。
あらゆる領域での研究成果が示されたポスター展示
会場内には、学術研究や調査活動の成果としてパネルがずらりと展示され、各大学等の研究室からの発表が大いに盛り上がっていました。そのテーマは、「遊び場・園庭」「環境と健康」「保育環境」「遊び・活動」「こどもと施設」「遊びと遊具」「学び・教育」など”こども環境学”が含む領域の広さを示すように多岐にわたり、パネル展示だけではなく実際にプロダクト展示や教育玩具、書籍などの紹介・販売もありました。発表者からの説明に対して、あらゆる領域の方々が話に聞き入りインタラクティブなやり取りが盛んに行われていました。
電通ダイバーシティ・ラボも「まち保育×ビジネス街区」の取組を出展
今回、電通ダイバーシティ・ラボとしても『かいしゃぱーく しおどめ』の取り組みについて、まち保育×ビジネス街区の事例としてポスターにまとめ展示を致しました。多様な立場の大人たちが混ざりあって議論と実装を重ねることで、こどもたちが育つ環境がより安全で、挑戦や期待のできる場であるように電通ダイバーシティ・ラボも「まち保育」の取組みを今後も続けて参ります。
さまざまな立場の人が交わり合う場の熱気
大会1日目の終わりには懇親会が実施され、会場を埋め尽くす大勢の方々が参加。自身の研究・ビジネス分野を超えて集まった人々は、お互いの研究領域の質問に始まり、実際に「次、一緒にこんなことをやりませんか」という実践に踏み込む話まで広がっていました。参加者の方々は口々に「自分自身の関わる領域を超えることで実現できることや、縦のつながりだけでは無しえないことが、ここに来ると現実的になり非常に刺激的」と話されていました。
次回は、日本版パッチアダムスとも呼ばれる副島賢和先生(昭和大学大学院保健医療学研究科准教授)の基調講演から始まった各セッションについてレポートいたします。
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