“新感覚テクノ防災訓練ゆるスポーツ”をやってきた
- プランナー
- 大塚深冬
9月に発生しました台風21号、及び北海道胆振東部地震に際しまして、被害に遭われました皆様に謹んでお見舞い申し上げます。今もなお避難生活を送られている皆様のご無事と、一日も早い復興をお祈り致します。
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9月1日、防災の日。テクノロジーマスクをつけた謎の鬼との追いかけっこを通して防災が学べるという、まったく新しいスポーツが開発されたということで、そのお披露目会に取材にいってきました。その名も、エモ鬼 / EMO-ONI(エモオニ)。
EMO-ONIの主役こと、エモさん
EMO-ONI(エモオニ)とは?
EMO-ONIとは、“年齢・性別・運動神経に関わらず、だれもが楽しめる新スポーツ”を開発・推進する世界ゆるスポーツ協会と、“防災があたり前の世の中をつくる”をビジョンに防災の普及啓発活動を行う一般社団法人防災ガールが共同開発した新しい防災スポーツです。
※ゆるスポについて、cococolorでは「笑いながらスポーツをしよう!ゆるスポーツランド2018」でも取り上げました。
鬼ごっこしながら防災訓練ができる
EMO-ONIを一言でいうと“エモさんとする鬼ごっこ”のことで、ルールはエモさんに捕まらずに全員が逃げきることです。エモさんにタッチされるとコートの中心に捕まることになりますが、仲間のタッチで助けられる点は、ドロケイというゲームに似ています。
エモさん役は参加者が代わる代わる体験
Photo by Kenji Mori
EMO-ONIの最大の特徴は、どこに逃げるかがエモさんの表情に応じて変わる点です。遠隔操作で4種類の色に変化する「エモさんフェイス」、その表情は自然災害発生の合図。地震を表す赤い顔になれば避難所と書かれたエリアへ逃げ、津波の青い顔の時は反対に位置する高台エリアに避難しなくてはなりません。
一度捕まっても、仲間のタッチでまた逃げられる
Photo by Kenji Mori
また、参加者にハンディキャップを持たせるのもEMO-ONIの特徴。重さ6kgのリュックは妊婦さん、ハチマキは巻いた方の脚が使えません。サングラスには視界が悪くなるように黒いテープが張られ、イヤホンは大音量の音楽が邪魔で外の音が聞こえません。このようなハンディキャップを持つ参加者とそうでない参加者、全員が協力してエモさんから避難できれば勝利となります。
参加者同士、代わる代わるハンディキャップを体験します
Photo by Kenji Mori
ルールが変わることの楽しさ、難しさ
エモさんの表情は突然変化します。すると、「これは何の災害!?」「どっちに逃げればいいんだっけ!?」と参加者たちは一様に混乱しました。その様子は、「地震の時は△△に隠れる」「火事の時は〇〇に避難」などと、普段の生活の中で防災の意識を高め、共通ルールを把握しておくこと、想定しておくことが大切であることを学びました。
ハンディキャップを抱えながら逃げるという体験
Photo by Kenji Mori
誰が誰を助けるか、どう助けるか、それをゲームが開始する前に話し合うことが肝でした。例えば、ハンディキャップの中でも特に目が悪い人は避難をする速度が遅くなるために捕まりやすいです。助けたい気持ちが先走って逆に捕ってしまう人がでたり、ハンディキャップ無しの人だけが捕まってしまうような絶望的な状況もありました。
ハンディキャップのある仲間の避難経路を確保する
Photo by Kenji Mori
ゲームの途中で、ハンディキャップ無しの人がハンディキャップ有りの人を助けやすいように一部ルールを修正したり、エモさんが2体から3体に増えたり、1人に減らしてみたりと、楽しさや難しさを基にゲームをアップデートするのはゆるスポーツ/EMO-ONIならではの魅力です。しかし、ルールが変化するということは、想定外が連続する災害時にも同じことがいえるのだという、この点でも防災にも応用できる考え方だという意見もでました。
3人のエモさん(中身は心優しき開発者達)
Photo by Kenji Mori
楽しいゲーム感覚の防災訓練
参加者は皆が「楽しかった!」という感想でした。ゲームを繰り返すなかで、参加者同士のコミュニケーションも活発になり、一体感もうまれました。
また、ゆるスポーツと聞いてどこか気楽に構えていましたが、本気で捕まえに来るエモさんから逃げたい気持ちや、捕まった仲間を助けたい気持ちが自然に生まれるなど、実際の災害現場や防災にも活用できるものばかりでした。
いざという時に正しく迅速な防災ができるためには、普段から情報を集めることも大切であれば、逃げるための瞬発力や体力も必要不可欠であることも、激しい息切れと大量の汗をもって痛感しました。
感想やアイディアを積極的に共有する参加者達
Photo by Kenji Mori
遊びながら入る知識は覚えられる
主催者側からは、教科書だけでは学びきれない防災の知識や人を思いやる気持ちを実体験をもって伝えたかったというコメントや、面倒くさくなりがちな防災訓練に、楽しさや可愛さといった要素を取り入れたかったという思いを伺うことができました。
真面目に、楽しく、防災について学ぶことができました。
Photo by Kenji Mori
世界ゆるスポーツ協会の皆さん、防災ガールの皆さん、ありがとうございました!
それでは、EMO-ONIがいかにして誕生したのか?その誕生の舞台裏も取材してきましたので、その様子は次号でお届けします。
※参考リンク※
世界ゆるスポーツ協会オフィシャルWEBサイト:http://yurusports.com/
一般社団法人防災ガール オフィシャルWEBサイト:http://info.bosai-girl.com/
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