「食べてみる」ことから知る世界の多様性 〜手で食べるって難しい!ガーナ編〜
- 編集長 / プロデューサー
- 半澤絵里奈
「食べてみる」ことから知る世界の多様性は、「食文化」を通じて世界の多様性に触れることをテーマとした連載シリーズです。前回は、北欧における夏の風物詩であるザリガニパーティーをフィンランドファミリーのお宅にお邪魔して楽しみ、ザリガニが高級食であることを始め一緒に味わうお酒や料理のことも学びました。
北欧から一転、cococolor編集部が次に向かったのはアフリカ大陸です。
アフリカ大陸は、56の国が存在し(2019年8月現在)、赤道を挟んで南北に大きく広がる大陸。民俗学や力強い音楽、古代から多く遺る美術に加え、野生動物の保護地区もあり、アフリカの持つ資産は多様です。私達は、今回、アフリカのなかでも西側に位置するガーナの料理を味わいに都内のレストランにお邪魔し、ゲストとして日本国内で研究者をされているサミュエルさんにお越し頂きました。私達のメンバーも学生時代をアフリカで過ごした人、ウガンダを旅したばかりの人、アフリカを意識した服装で来る人など、集まった時点でアフリカ愛に溢れた状態。
さっそくメニューを開いてみましょう。
ガーナは10の州から成り立ち、そのなかに46も部族があるため食べ物の種類が多いとのこと。しかし西アフリカにおいては、キャッサバやタロイモから作られたfufu(フフ)と呼ばれる主食にスープ状に煮込んだ肉、魚、野菜を絡み付けるようにして食べることが食事のまんなかにあることは共通しているようです。
fufuは、一見、お餅や中華蒸しパンのように見えてちぎりやすそうなのですが、実際指で触れると芋からできているのでにゅるりと隙間に逃げていきます。やっと一口サイズにしたものを指の間に押さえ込み、さらにそこにスープの具を絡ませていくのですが、オクラのスープはとくに指の隙間から逃げていきます。最初はなかなか具を多く絡められないまま食べ、みんな次第にコツをつかんで上手になっていきました。
数年前、アフリカフェスに参加したときに、日本ではあまり食べたことがない葉物類をメインとした炒め物や緑色のバナナを調理したものを食べた記憶がありました。そのときは「おお、これがアフリカか!」と思いましたが、今回、サミュエルさんにいろいろな話を伺いながら味わった料理は、日本の食文化にちかいものや食べ馴染みのあるものが多かったことが印象的です。まさに、アフリカ大陸の広さを物語る、アフリカ料理の多様性。地域が異なるだけでなく、その地域がどの国の植民地であったか、王国かどうか(王様のいる地域はまた別の食文化があるという話もありました!)、どのような農業が盛んなのかなど様々な理由で異なる食文化が築かれているのだと実感しました。
私にとっては、まだまだ未知の世界であるアフリカ。今回はガーナ料理を楽しませて頂きましたが、ぜひ東側の料理や南アフリカの料理も、そこの文化・民族の話を聞きながら体験し、近い将来子どもを連れて行ってみたいと感じました。
サミュエルさん、参加頂いたみなさん、ありがとうございました。
次の「『食べてみる』ことから知る世界の多様性」シリーズは、タイ料理に迫ります!お楽しみに!