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16 Sep. 2022

全国各地でのプライドイベント開催直前!知っておきたいレインボープライドの楽しみ方 〜TRP2022レポート〜

仲尾 郁子
メディアプランナー
仲尾 郁子

4月22日〜24日、アジア最大級のLGBTQ+関連の祭典、「東京レインボープライド2022(TRP2022)」プライドパレード&プライドフェスティバルが行われました。

そして今日から、金沢を皮切りに各地でのプライドイベントが始まります。開催直前の今、一足先に東京で開催されたTRP2022プライドパレード&プライドフェスティバルの様子を、リアルイベントならではの楽しむポイントとともにお届けします。

 

TRP2022は、LGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広め、「“性”と“生”の多様性」を祝福するイベントです。

今年のプライドパレード&プライドフェスティバルは、新型コロナウイルス感染症対策をとり人数制限を行いながら、3年ぶりに代々木公園で開催されました。来場者は、3日間で延べ66,000人以上!当日は会場の最寄駅から、レインボーカラーのファッションの人々で賑わっていました。

 

ポイント1 多種多様なブース出展!

TRP2022では、116の企業や団体のブースが並びました。初出展から継続参加の企業まで、各団体工夫を凝らしたブースが展開されていました。

まずは、2つの企業ブースの模様をレポートします。

 

日本初の同性パートナー紹介サービス

リザライの出展ブース

 

同性パートナー紹介サービスを展開しているリザライは、今年で4回目の出展です。

サービスの強みは、専任コンシェルジュがいるため、一人ひとりにあったパートナーを紹介できること。

 

同性のパートナーを探している方のなかには、日常生活では出会いの場が少なく、アプリや掲示板も続かない。けれど、本人確認や紹介制度がしっかりしているリザライなら安心できる、と勇気を出して訪れてくれる方も多いと言います。サービス利用者は延べ3000人を超え、250組以上のカップルが誕生しています。

 

プライドフェスティバルの開催中も、リザライでカップルになった方が10組以上も訪れてくれたそうです。株式会社リザライ代表取締役の飛田要一さんは、「お客様の笑顔や、涙を流す方もいるくらい感謝していただけることが、社員の原動力になっている」とし、「今後はリザライのサービスを通じて、日本で同性婚が認められるように声をあげていきたい」と仰っていました。

 

“不動産探し”の現場課題

オレンジを基調としたIRISのブース

 

IRISは、LGBTQ+をはじめとするマイノリティの方々のお部屋探しをサポートする会社。これまで5000件以上の物件紹介を行なってきたそうです。プライドフェスティバルでは、入居者や社員、創業者の声を集めて展示されていました。(社員の声には、元々はサービス利用者だったけれど、会社の理念に共感して転職しました!という方も!)

 

入居者や社員の方々の声

 

LGBTQ+カップルの賃貸や不動産購入には課題が多いのが実状。“2人で入居可能”と記載されていても、「法的に認められていない」ことが理由で断られ、入居審査に通らなかったり、ルームシェアになってしまうことが多いそうです。

 

株式会社IRISのCEO須藤啓光さんは「無理解や偏見から断られることがある。例えば(法律婚を前提とした)男女カップルに比べて、別れる割合が高く、すぐに解約されてしまうと思われるようなこともある。」と一方的な差別を感じると語られました。LGBTQ+やマイノリティを特別扱いするのではなく、全員をフェアに見て欲しいという想いから、サービスを始められたそうです。

 

IRISでは同業者だけでなく、様々な業界・企業に対して、自社のナレッジをシェアするコンテンツ提供や研修の実施を行い、多方面から課題解決のためのアクションを起こされています。

 

また、須藤さんは「東京はこの10年でかなり環境が変化したが、地方の課題はまだ根強い」と語り、今後の取り組みとして、地方展開の重要性を挙げられていました。

 

 

ポイント2 レインボーカラーのアイテムを身に着けて街を練り歩こう!

 

3年ぶりのプライドパレード

プライドパレードの様子

 

3日目は、代々木公園を飛び出して渋谷〜原宿を行進する「プライドパレード」が実施されました。参加者は、TRPの共同代表、ユースプライドジャパン(10・20代を中心としたTRPボランティア)のメンバーをはじめ、事前申し込みにより抽選で選ばれた方々など、総勢2000人が参加しました。

 

ポイント3 ステージイベントで盛り上がろう!

パレード終了後は、ステージにて豪華ゲストのライブが実施され、客席には多くの人が集まりました。

 

そのうちの一つ、DRAG QUEEN SHOWでは、煌びやかな衣装を纏い、妖艶に踊るドラッグクイーンたちのステージが披露されました。小雨が降ったり止んだりとあいにくの天気ではありましたが、観客のボルテージは最高潮。終始大盛り上がりのステージでした。

 

 

TRPは社会への発信の場でもある

共同代表の杉山文野さん、山田なつみさんにもグループ取材をさせていただくことができました。

TRPの開催目的に、杉山さんは「Happyな社会の実現」という言葉を用いて、「年に一度のこの機会に、私たちここにいますよ!と社会に伝えることが重要。声をあげていかないと、いつまで経ってもそこに存在しない者とされ人権が守られない」と語られました。

 

また、新型コロナウイルス感染症拡大で3年前からオンライン開催に取り組んできましたが、今までリアルイベントに参加できなかった人もオンラインでなら参加できるようになったのが大きな成果だと言います。自分の立場や悩みをオープンにできない人もいますが、“言えない”環境なのか、“言わない”選択をとっているのかでは大きな違い。発言できる人からどんどん声を上げ、目の前の課題や繋がりを可視化させていくことが大切だと語られました。

 

地域での取り組みに関しては、国内のプライドイベント主催団体である「JAPAN PRIDE NETWORK(全国プライドネットワーク)」とともに盛り上げて行きたいと述べられました。

本日から金沢で開催されるイベントをはじめとし、9月以降各地でのレインボープライドが始まっていきます。プライドフェスティバルをきっかけに、全国各地に輪が広がり、多くの人が繋がっていくことを願います。

 

 

社会を良くするネクストアクションに繋げる

筆者も初めて参加したレインボープライドフェスティバル。人との繋がりや存在を確かに目の前に感じられるのは、リアルイベントならではの魅力だと再認識しました。会場は常に活気があり、鮮やかなファッションに身を包んだ参加者で、虹色の光が差すお祭りのような空間でした。しかし各企業や団体の取り組みに着目すると、LGBTQ+への法整備の脆弱さや性的マイノリティへの差別など、日本には未だ多くの課題が残っていることを感じさせられます。

 

TRPは、様々な人・モノと出会い・繋がり、新たな発見をし、次のステップを踏み出すきっかけとなるイベントだと感じました。年に一度のTRPのあとは、私たちが過ごす日常を少しずつ良いものに変えていくアクションが大切なのではないでしょうか。

 

各地でのイベント、そして来年のTRPも楽しみです!

ご紹介したレインボープライドを楽しむポイントを意識しつつ、可能な方は是非足を運んでみてください!

 

開催予定のイベント情報

9月16日〜19日 金沢プライドパレード

9月17日〜18日 さっぽろレインボープライド

10月2日 ふくしまレインボーマーチ

10月8日〜9日 レインボーフェスタ!・関西レインボーパレード

10月9日 三重レインボープライドin 津まつり大パレード

10月16日 岡山レインボーフェスタ

11月6日 九州レインボープライド、奈良レインボーフェスタ、レインボーフェスタ那智勝浦

11月19日 まんで!さぬきレインボーパレード

11月20日 東京トランスマーチ、ピンクドット沖縄

※2022年9月現在の情報です。

取材・文: 仲尾郁子
Reporting and Statement: ayakonakao

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