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28 Apr. 2023

自分らしさが咲き誇る社会を願って。「にじいろのガーデン」ブース体験レポート

秋田ゆかり
ビジネスプロデューサー
秋田ゆかり

“性”と“生”の多様性を祝福する国内最大級のLGBTQ+イベント「東京レインボープライド2023(以下、TRP2023)」が 4月22~23日に代々木公園イベント広場にて開催されました。

多様性を尊重し、誰もが自分らしさを発揮できる企業と社会をめざすことの表明として、電通グループはTRP2023にブース出展しました。ブースのテーマは、「にじいろのガーデン」

4年ぶりに入場制限のない開催となったTRP2023は、のべ24万人を動員し、にじいろのガーデンブースにも、3,000人近い方にご来場頂きました。

本記事では、本ブースのクリエイティブディレクター/コピーライターの福居亜耶(電通)のコメントや、実際にご来場頂いた方の声もご紹介しながら、にじいろのガーデンについてレポートします!

 

歴史と人をふりかえって、想いの種をつないでいく

 

まずは、にじいろのガーデンのコンセプトのご紹介から。

 

福居「LGBTQ+に関する電通グループの取り組みは、10年以上かけて社内外ともに増えてきました。TRPという年に一度のイベントのブース企画にあたって、電通グループがどのようにLGBTQ+コミュニティに寄り添えるか・協力し合えるかと改めて考えて行き着いたのが、コミュニケーションの企業として『LGBTQ+に関する歴史や情報をわかりやすく広く知らしめる』ということでした。それを起点に、LGBTQ+に関する言葉を花に込めて展示するという企画が生まれました。」

 

実際に、私もブースに足を運んでみると、「こんなことがあったんだ!」と初めて知る歴史や、背中を押してもらえる言葉に、いくつも出会うことができました。

にじいろのガーデンでは、3つのコーナー「Appreciate it!」「Pick it up!」「Say it loud!」から成り立っており、楽しく・分かりやすく、LGBTQ+に関する様々な歴史や言葉に出会える工夫が施されていました。その工夫について、詳しくレポートします!

 

Appreciate it!:言葉と歴史をじっくり鑑賞しよう!

 

Appreciate it!のコーナーでは、花に込められた言葉や歴史を鑑賞することができました。

 

福居「発言者のバックグラウンドやセクシュアリティにも多様性を持たせるべく努めましたが、諸事情ですべてをカバーすることは叶いませんでした。しかしながら、18の言葉のうち、少なくともどれかひとつには自分の立場や想いを重ね合わせていただけるのではと思っております。」

 

 

どの言葉も深い学びがあったり、勇気をもらえたりするものですが、以前cococolorで取材した大島さんの言葉が、改めて私の胸に響きました。その言葉とは、「これは私の1つのバックグラウンドでしかなく、それが全てではありません」。LGBTQ+というくくりで見るのではなく、その人自身に目を向けることの大切さに気付かせてくれる言葉です。

当日も、じいっとこのコーナーの前で足を止めて言葉を読んでいる来場者が多かったのも、とても印象的でした。私が大島さんの言葉に心を動かされたのと同じように、きっと心に響く言葉や歴史が、見つかった人が多かったのではないかと思います。

 

Pick it up!:お気に入りの言葉を一輪持って帰ろう!

 

続いてご紹介するのは、Pick it up!コーナー。花型のカードに印刷された好きな言葉を、持って帰ることができるコーナーでした。

 

福居「誰かに渡したり、ペン立てに挿したり、胸ポケットに入れたり、パレードの小道具にしたり。言葉に敬意を払った上で、イベントのあともご自由にお使いいただければうれしく思います。ただし、紙製なのでお水はやらないでください。」

 

 

実際に、花型のカードを持ってパレードに参加したという方の声も聞くことができました。

「work with Prideという団体でパレードに出ました。私たちのテーマは『Voices for Change(変化のための声)』。紙に書いた自分の声に加えて、お花に書かれた先人たちの声も掲げて歩きました。」

 

また、小学5年生のお子さんをお持ちの保護者の方に、TRP終了後に話を伺うと、花型のカードは小学校のクラスで大人気だったようです。先生もカード配布に力添えしてくれたとのこと。このカードを使って、TRPに来ていない方にも、輪を広げることができるのは、Pick it up!コーナーの魅力だと改めて感じました。

 

Say it loud!:花に書かれている言葉を発信してみよう!

 

最後にご紹介するコーナーは、Say it loud!コーナー。LGBTQ+に関するスローガンなどをスピーカーから会場に向かって発信できるコーナーでした。

 

福居「“Say it loud(大声で叫ぼう)”は、1970年頃からニューヨークのプライドパレードなどでスローガンとして使われていたフレーズです。例えば“Say it loud, Gay is proud”といった形で。主張したいことがあっても、いきなり大きな声で何かを叫ぶのはなかなか難しいと思うので、ここではボタンひとつで“Say it loud”できるようにしてみました。この体験を、誰かに向かって声を上げるための小さな一歩にしてもらえればと思います。」

 

 

当日ブースに訪れた際にも、スピーカーから様々な言葉が流れていました。

特に私の心に残っているのは、小さな子どもたちが、「Gay is good!」ボタンを押した後に、繰り返し同じ言葉を言っている姿です。

キャッチーなフレーズなのもあり、楽しそうに繰り返した後に、「ゲイって何?」と質問しているのも、とても印象的でした。まさに、誰かに向かって声を上げるための小さな一歩の質問なのではないでしょうか。

 

変わるまで、続けていこう!

 

最後に、TRP2023のテーマもご紹介。今年のTRPテーマは、「変わるまで、続ける」。

ひとつひとつの積み重ねでLGBTQ+を取り巻く世界は変わってきたけれども、一方でまだまだ課題がある現状…。そんな現状を変えていくために、アクションを続けることが大切だという想いが込められています。

TRP2023、にじいろのガーデン出展は終了しましたが、今回にじいろのガーデンで学んだ言葉や歴史、そこに込められた想いをつなげる行動は、これからもできることだと思います。読者のみなさまも、ぜひ自分らしさが咲き誇る社会の実現を目指したアクションをやってみてください!

取材・文: 秋田ゆかり
Reporting and Statement: yukariakita

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