わたしたちの多文化共生 学生レポート
- 共同執筆
- ココカラー編集部
東京都多文化共生プレゼンコンテストが、ヒューマンライツフェスタ東京の一環として、11月5日(土)に行われた。会場は東京国際フォーラムで、前年よりも広い会場となり、多くのお客様にご来場いただいた。
出場大学は、中央大学、早稲田大学、法政大学、東京外国語大学、そして明治大学の5つの大学で、東京都に「東京を多文化共生都市にするためにはどうしたら良いか」を提言するというものであった。
以下、各大学のプレゼンテーションを順にご紹介する。
中央大学
「多文化共生プランin 多摩」
学生の街と言われる多摩を舞台に、「国際寮」の設置を行うという提言である。多くの外国人留学生が日本人学生と共に暮らしながら、日本での就職支援や、文化の違いを受け入れる場を設けるという提案である。
多摩に所在する中央大学ならではの視点で考えられており、多摩を多文化共生の推進地区とする個性あふれた興味深いプレゼンであった。
早稲田大学
「ムスリムから見る多文化共生~自己と他者の関係の中で~」
プレゼン班の一人がヒジャブを着用し登場。当日の朝からヒジャブをかぶりコンテストに向かい、周りの人々の反応を見ようと試みたとのこと。相手の立場になって考えるということは共生社会においても、日常の様々な場面においても大切なことである。
主な内容は、ムスリム文化を日本人学生に教える講義を開き、相手の文化を知るとともに、どのように相手を幸せにできるかを考えること。
相手を幸せにすれば自分も幸せになれるとういう「幸せ」をテーマに、多文化共生社会の構築を考えるというようなプレゼン内容であった。
法政大学
「MOTTAINAI Project~食から始まる多文化共生~」
多文化商店街を通して日本人の意識改革を目指すという提言を行った。着目をしたのは、食品ロス(まだ食べられるのに捨てられている食べ物)とシャッター商店街である。夏合宿でフードバンクを訪問する機会があり、そこから食品ロスを考えたという。
具体的な案は、食品ロスを使い、使われなくなったシャッター商店街で、外国人が各国の料理を、提供するという内容である。「多文化共生商店街」と名づけ、イベント化をするという提案であった。
「食」という誰にとっても身近なものから、多文化共生に繋げようというユニークな発想で、大変興味深いプレゼンであった。
東京外国語大学
「Career Design & TOKYO~育てよう夢のつぼみ~」
外国にルーツを持つ子どもたちを対象にした提言を行った。プレゼン班の一人は、両親が中国出身で、中学校2年生で来日した外国ルーツを持つ。彼女の体験談も交えながら、外国ルーツの子どもの不安を解消するには、ロールモデルが必要というところに着目した。
主な内容は、キャリアナビというWEBサイトを立ち上げ、子どもの就職活動や、生活全般をサポートするだけでなく、保護者や企業にもメリットのあるサイトを立ち上げるというものである。
多文化共生社会となる東京の未来を想像しやすく、分かりやすいプレゼン発表であった。
明治大学
「Δキッズプログラムin東京~子どもが描くカラフルな未来~」
主な内容は、都内の小学生を対象とし、多様な文化背景を持った子どもが関わりあうことで、多文化理解、信頼関係の構築、そして発信能力、この3つを得られ、多文化教育を担う人材となるプログラムを提言した。
具体的には、大学生がスタッフとなって、夏休みに2回のプログラムを開き、そこで小学生がグループワーク、共同生活を体験し、最終的には、ヒューマンライツフェスタで発表するものである。
丁寧で分かりやすく、落ち着いた発表であった。
結果は、東京外国語大学が最優秀賞をとり、早稲田大学が優秀賞をとった。この二大学には、2月1日に行われる東京都国際交流委員会主催の研修会で同様のプレゼンを行ってもらう予定だ。
各大学、甲乙つけがたい素晴らしいプレゼンを披露してくれた。
関連サイト:
多文化共生プレゼンコンテストFacebookページ
ヒューマンライツ・フェスタ東京2016の公式サイト
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