cococolor cococolor

3

Dec.

2021

news
3 Dec. 2020

苦手が好きになったウォーキングフットボール体験

高田愛
ソリューションプランナー/産業カウンセラー
高田愛

子どもでも、女性でも男性でも、シニアでも、身体障害や精神障害があってもなくても参加できる。そういうスポーツが、最近少しずつ出てきているのは知っていました。今回は、子どもたちと一緒に参加したNoBorderFC主催の「ウォーキングフットボール」を中心に、「デフサッカー/デフフットサル疑似体験観戦」についてもレポートしたいと思います。
※NoBorderFCは、7つの障害者サッカー選手達が結成した、サッカーを通じて障害の有無に関係ないNo Borderな世界に繋げようとしている任意団体です。

 

耳栓で80%くらいの聴覚に

私たち家族が参加したのは、一般社団法人レプロ東京主催【No Border Football Festival】 です。数日前から、デフサッカー/デフフットサル疑似体験に行くことを息子たちに告げていたのですが、「サッカー苦手」「やりたくない」「行きたくない」「勝手に予約しないでよね」とのネガティブな反応が返ってきていました。当日の朝になっても、ぶつぶつ言う息子たちを「まあまあ、モノは試しに行ってみようよ。」となだめすかしながら、何とか江戸川区臨海球技場へ到着。早起きもしたし、グダグダ。でも、気持ちの良い最高の天気!!いいことありそう。午前中は、デフサッカー/デフフットサル疑似体験を観戦。すでに試合中でした。試合を見がてら、耳栓を試しにさせてもらいました。こんなもんじゃ、聞こえなくならないでしょと思いきや、確かに聞こえにくくなります。

 

耳栓に加え、
声を出さないというルール

 デフフットサル疑似体験のスペースでは、デフサッカーの選手と、亀戸中学校・深川第二中学校のサッカー部の皆さんが混合で試合中でした。もちろん、健常者はみんな耳栓をしていますし、声を出しあってコミュニケーション取ってはいけません。静かなサッカーです。でも、(サッカーの観戦すらあまりしたことのない私には)結構できているように傍からは見えていました。試合の合間に、キャプテンあんりくんに感想を聞いてみました。

 

相手の視界に入らないと
伝わらない

江東区立深川第二中学校のキャプテンあんりくんに、感想を聞いてみました。デフフットサルを体験するのは初めてとのこと。やってみてどうですか?と尋ねると「やっぱり難しいです。コミュニケーションが取りづらいので、パスが繋がりにくかったり、がありました。手とかで、こっち来てとかジェスチャーしてましたが、相手が見ていないと伝わらないので。いつもは、声を出してジェスチャーも交えてやっているが、ジェスチャーだけだと、相手の視界に入っていないと難しいなと思いました。」とのこと。

 最後、チームごとに集まっての振り返りでも、いい意見が出ていて「声を出さないと盛り上がらない」という率直な意見も。声で、気持ちをあげてるんだなとか。「ほしい場所がわからん」とか短い時間の中で、声以外のコミュニケーション方法を試し、それと同時に不自由さも感じたようでした。

 

プロの選手ほど首を振って
周囲を確認している

江東区立亀戸中学校の小林竜也先生に話を聞きました。参加の目的を伺うと「ジェスチャーなど、声に頼らずいろんな意思表示をする方法を学ぶ一環として参加しました。」相手が見ていないとパスが回らないと言っていましたが、それについてはどうですか。「戦術的な話になってしまうのですが、音でわかっていれば、首を振らなくてもなんとなくサッカーできていたものが、首を振って周りを見ないとおそらく判断できなかったと思います。首を振る習慣がないと、子どもたちにとっては、難しい、なかなか、うまくいかないということが多々あったと思うので、今回それを学んでもらえたら目的達成かなと思います。」首を振るって大切なんですか?「とても大切だと思います。視野を広げるとか、いろんなところの選手だったり、ボールだったり、空いているスペースだったりを目視で確認することで、次のプレーを考えることができるので首を振って周りを確認することは、とても大切です。」プロの選手って、首を振っているものなのですか?「ものすごく振っています。バルセロナのシャビという選手がとても有名なのですが、彼にカメラを付けた番組もありましたけど、非常にたくさん首を振っていろんな方向を見ていたので、技術的な部分も彼らに知ってほしいなと思って。よければ他のチームにも来てほしいなと思いました。」とのことでした。

障害者の状態を理解することもとても大切だと思うのですが、それに加えて「彼ら自身のプレーを高めるために、いつもと違う状況から発見したり、切り口を与える力」を先生から感じて、素晴らしいなと思いました。

 

いよいよウォーキング
フットボール体験へ!!

性別・年齢・障害に関係なく18名の参加者が3チームに分かれ、総当たり戦をやりました。6歳児と、8歳児が試合をかき乱していましたが、サッカーが好きになるように皆さんがサポートしてくださりました。子どもたち、ほんと自由に参加・・・・・・(苦笑)

ルールは、読んで字のごとく、走ってはいけないフットボールです。この構成が良く考えられているので、ご紹介。①チームづくり→②試合をやってみる→③ガチの試合を見る→④もう一回試合してみる→⑤その日のMVPを決めるという順番。ゆるーくサッカーやるだけでない気づきがたくさんあり、ワークショップとして満足度が高まるなと思いました。

写真は、私のチーム焼肉カレー(笑)手話で焼肉焼いてます。①チームづくりでは、自己紹介しながらボールをパスしたり、円になって、コートの端から端に円を崩さないように、パスしながら移動する。それから、相手の名前を言いながら、パスを回していくものもやりました。これでチームのメンバーの名前を覚えます。次に、チーム名を考えて「焼肉カレー」「ぜんいつ」「マグロたたき」という3チームに決定。そしていよいよ②試合をやってみました。総当たり戦で4試合ずつ試合をします。前半は2試合。走ってはいけないと言われると、歩くことすらぎこちなくなった私(笑)最初はボール1つ、少ししたら2つ、3つと増えていきました。パスする時、力みすぎると仲間がパスを取れない。慌てて走って取りに行ってはいけないし、意外と難しい。

 

ガチの試合を見せつける

ハーフタイムでは③ガチの試合を見せつけられる。精神障害者・弱視・健常者混合チームで対戦!!サッカーって、球技かつ格闘技だと思いましたね。スピードも全然違うし、体と体のぶつかり合い。スピード感も凄い。比較すると、自分たちの動きはゆるゆるです。

このウォーキングフットボールを企画進行した弱視の岩田さんの視界は、どんなものか聞いてみると、スマホでイメージを見せてくれました。ボヤーン。※注:私のカメラのピントが合っていないのではありません。人がいるのはわかるけど、あの速いボールは見えていないのだそう。とても、そうとは思えない早業・・・・・・。パスが通らなかったりすると「そこメンタルだよ!!」と声がかかったり。

そして、大阪から参戦された精神障害の小林さんから、精神障害者のチームがあることを教えていただきました。そして、精神障害者専用のチームがあることの意義について聞いてみました。「発達障害だったら暗黙の了解とかが難しいですし、引きこもりだったら、電車に乗れないとかいろいろなハードルがあるので、社会復帰支援のためでもあるんです。社会復帰にもいろいろあって、就職だけでなくて友だちを作るとか、自分の居場所を作るツールの一つ。僕は、22歳からやっているのですが、いろいろな人に迷惑をかけてきた。社会に出ていないから、人間的に未熟だったけど、いろんな人が支えてくれて、失敗できる場があったから、今就職できたり、つながりができた。まだ勉強中ですけど。」と、それぞれ違う生きづらさを抱えていても、一緒にサッカーをしたり、集まって話すことが支えになるのだなと感じました。

 

もう一回やりたい。
同じチームでやりたい。

④次の試合は、なんだか違う。ガチの試合を意識しているのか、先程より早歩きで動けている模様。シュートも1回決まったV。それに、試合が終わった後の疲れが半端ない。

あんなにサッカーを嫌がっていた息子たちでしたが、終わる頃には「もう一回やりたい、もう一回やりたい!!」と言って、引き剥がして帰宅の途につくのが大変でした。「また、今日のチームでできる?せっかく、仲良くなったのに。また、あのチームでやりたい。」思いやり溢れたチームメイトに恵まれて、とても楽しいサッカー体験となったようでした。息子からしたら、障害の有無や、年齢性別なんて関係なかったみたい。

 

こんな風に、自然に触れ合う機会を作っていけば、障害者とか健常者とか、男とか女とか、シニアとか若いとかそんなこと意識することなく、ありのままを受け止められる人になれるのだろうか。そんな気がする。NoBorderFCの理念である「サッカーを通じて障害の有無に関係ないNo Borderな世界に繋げよう」が体現されたイベントでした。参加者のみんなが「今日を楽しんでほしい。」「自分も楽しみたい。」そんな思い愛のあふれた時間でした。

 

 

イベント概要は下記の通り

  • 日時11/21(土) 

午前の部 9:00~12:10(受付8:30~)
午後の部 13:15~16:30(受付12:30~)

  • 開催場所江戸川区臨海球技場(人工芝)

http://www.edogawa-3field.jp/ballgame/access/

  • プログラム

 午前の部 

  サッカーリーグ戦 9:00 ~ 12:00

  デフサッカーデフフットサル疑似体験 9:00 ~ 12:00

  ドクターエア製品体験ブース9:00 ~ 12:00

 午後の部

  サッカーリーグ戦 13:15 ~ 16:30

  ウォーキングフットボール 13:15 ~ 16:10

  ドクターエア製品体験ブース13:15 ~ 16:30

 

■イベント全体

https://replotokyo.com/news/2020nbff_news/

https://replotokyo.com/news/2020nbff_results/

取材・文: 高田愛
Reporting and Statement: aitakata

関連ワード

関連記事

この人の記事