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Nov.

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17 Feb. 2021

食のダイバーシティ・アテンダント #1 「コロナ禍で加速した食のダイバーシティ?」

河合はるか
プランナー
河合はるか

緊急事態が明けたら…美味しいものをお腹いっぱい食べたい!

食の我慢も、もう限界!と思い、友人を誘ったAさん。

 

「最近どう?緊急事態宣言解除されたらさ、何か食べに行かない?もう・・待ちきれない・・・」

 

「うーん!いいじゃん。ちょっと大人数は会社的にも難しそうだからサシでもいいかな?」

 

「良いよ良いよ!個室でお気に入りのお店あるんだけど、何か食べられないものない?」

 

「・・・・好き嫌いではなく、食べられないものがある。」

突如神妙な面持ちで友人に言われた。ん?なんだ?どこか体調でも悪いのかな・・・?と。

 

このような場合、あなたは友人Bの食べられない食材として何をイメージしますか?

 

赤ワイン!豚肉!カツオエキスの入った即席つゆ・・・?

 

 

3回に分けてお届けする、『食のダイバーシティ・アテンダント』

ダイバーシティ・アテンダントとは、「多様な人々への深い理解とまなざしを持つ人」のことです。

今回は、衣食住の中でも国や宗教、文化で大きく異なる「食」について着目していきたいと思います。

 

Vol.1では、コロナ禍で加速した国内のフードダイバーシティをご紹介!

Vol.2では、実はニッチ市場?な日本から考える、フードダイバーシティ。

最終回のVol.3では、食から広げ、繋げるダイバーシティ・アテンダントの未来について。

食のダイバーシティ・アテンダントの3本立てです、乞うご期待ください。

 

コロナ禍で健康志向へマインドチェンジ

在宅勤務も普及し、お家時間が増加。ジムにも行けず、外をランニングするのも難しい時期もありました。

運動不足の日々で、たるむお腹に増えるアゴ…。自身や家族の健康について考えるキッカケが多くなったのではないでしょうか?

そんな中、食事も「できるだけ、身体に良いものを。」と、野菜主食へ。

「週に1日は野菜だけの日をつくる!」 「1か月限定で!」なゆるベジとも呼ばれるフレキシブルなベジタリアンが広がりました。

 

↓フレキシタリアンについての記事も是非、ご覧ください。

『ヴィーガンをやめて3年、今はフレキシタリアン』 ~多様な食との向き合い方~

 

 

食事の制限の違い

友人Bの「・・・・好き嫌いではなく、食べられないものがある。」に話は戻りますが、「食べられないもの」と聞くと、卵、小麦、乳製品などを思い浮かべたのではないでしょうか?

これら特定原材料7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに)は、アレルギー表示が義務付けられています。

出展:『アレルギー表示とは(消費者庁)』

 

食事の制限は①身体的理由、②宗教的理由、③信条的理由の3つに分類されますが、

このアレルギーは、1つ目の身体的理由に属します。

 

では、赤ワインなどのアルコールや豚肉はどうでしょうか。

これらを消費することが ”できない ”のは、ハラールなどの食の禁忌が関与しており、2つ目に挙げた、宗教的な食の制限が理由となります。

イスラム教の教えを信じるムスリムの人口から考えると、宗教的理由での食の禁忌に該当するのは、2017年時点で16億人。

少なくとも、世界人口の24.0%もの人々が食の禁忌の中で「食生活」を送っていることになります。

ただ、”できない”からと言って、それが苦しいかどうか、楽しいかどうかはそれぞれの宗教上の考え方によるもので、誰かの評価軸で定めるものではありません。

 

最後は、信条的理由です。これは、野菜を中心に摂取することを”選択をする”ベジタリアンや、食品だけでなく衣類についても動物由来のものは消費しないと、”選択する”ビーガンが分類されます。

宗教的理由と、信条的理由の異なるポイントとして注目したいのは、”できるかできないか。“”選択するかしないか“という点です。「好き嫌い」も意志による選択の1つなので、信条的理由になります。

 

食事における制限については、かけられるものではなく、自らの意志で選んでいることもある。ということに気づいていただけたでしょうか。そして両者ともに、フードダイバーシティによって食べられるものの「選択肢」が広がるはずだと思います。

 

 

意外とあるかも?ヴィーガンメニュー

ベジタリアン・ヴィーガン対応で必需的アイテムとされる『大豆ミート』については、昨年3月にもcococolorでピックアップしています。

『これからの食の選択肢として。食肉メーカーが提案する大豆ミートを試してみた』

 

また、グルテンフリーな食品を求め、パンに米粉やアーモンド粉を使用していることも増えており、オリンピック・パラリンピックが控えていた2020年に向けて、食の多様化は進みました。

ここからは、2021年も熱い業界の動きについてピックアップしていきます!

 

「豚骨で作らない、博多ラーメンがここにある」

博多豚骨ラーメンで人気の「一風堂」は、植物由来の食材で作るラーメンを期間限定で販売。

その名も『プラントベース赤丸』

プラントベースというキーワードは、直訳で植物性由来で、一切、動物性に頼らないラーメンです。

スープも濃厚で、コクがあるのにさっぱりしていて、正直通常の豚骨よりも好みでした。

 

「フェイクじゃない、ネクストのミーツ!」 

フェイクミートをNEXTミーツと呼び、ヴィーガン対応の肉をフェイク=『偽物』ではなく、新しい価値へと体現したネクストミーツ株式会社。このNEXTミーツは、お一人様向けの焼肉展開をする焼肉ライクで食べることができます。「NEXTカルビ」と「NEXTハラミ」想定以上の反響により、昨年12月より全店舗販売が開始したとのこと。名古屋伏見店でも提供の確認ができたので、ランチタイムにお邪魔したいと思います。

 

「慣れ親しんだ味だからこそ、みんなに食べてほしい。」 

ココ壱番屋の、ココイチベジカレーは大豆ミートのメンチカツは食肉の代わりに植物性タンパクから作った大豆ミートを使用し、動物由来の原材料を使用していないカレーです。

モスバーガーも、グリーンバーガーを1年半かけて開発。主要原材料に動物性食材を使用せず、大豆でできたソイパティは他のハンバーガーにも応用し約9種類もの味の違いも楽しめます。

この日は、在宅のため家から5分圏内のモスバーガーをテイクアウト!満腹、大満足でした。

気分によってカスタマイズしたり、少しお肉を食べない生活を試してみる、ゆるベジユーザーにもぴったりだと思います。

 

 

ヴィーガンの次は、コレコレ・・・!

とある専門料理のANTCICADA(アントシカダ)というとっても素敵なレストランが去年6月に日本橋にオープン。外装も室内空間も、スタッフたちの佇まいもおしゃれです。

 

こちらのお店、メインに扱う食材は・・・・『昆虫』!

筆者が、オーナーの篠原祐太さんを知ったのは、アベマTVで放送していた「指原&ブラマヨの恋するサイテー男総選挙」(サイテーなエピソードを披露するという番組)だったのですが、『公園で出会った娘』というタイトルで語ったのはセミとの熱い夜。

まさかの・・・『娘=セミ』という超絶セミが大好きな少年でした。

(一風かわっているが、他の出演者とは「サイテー」という尺度が違うように感じました笑)

 

この昆虫好きが高じて、昆虫専門店をオープンしていたから驚きです!

日本でもハチノコやイナゴの佃煮など、昆虫を食べる文化はありますが、2050年以降の未来に考えられる食糧難問題に対して、昆虫食は、非常にエコで合理的だという。

「育てやすい」「全部食べられる」「いっぱい育つ」の3拍子。

 

筆者は虫が苦手なため、まだ少し、背筋がゾッとしてしまうのですが、

どんな文化にもはじまりがある!と、思い込みは捨て、可能性はどんどん大きく、選択肢はどんどん広く。まずは、挑戦することから始めたいと思います。

将来起こり得る食糧危機の解決策とされ、未来のタンパク源として期待されている昆虫食。

食のダイバーシティ革命は止まりません。

 

 

食べたいものや、食べられるものを一緒に見つけたり、探したり。

”同じものを一緒に食べて、「美味しいね。」と笑う” その瞬間はとっても幸せですよね。

“一緒に食事を楽しめる空間”を。”一緒に食事できる食材”を。

世界のベジタリアンたちが使うアプリ『Happy Cow』で日本中のヴィーガンメニュー巡りをしてみるのはいかがでしょうか? 

神妙な友人の表情も、柔らかくなるかもしれません。

 

 

次回は、名古屋名物味噌煮込みうどん発信のフードダイバーシティ。

キーワードは、「食の世界規格」

多くの人の食の禁忌に、あっつあつの味噌煮込みうどんを提供し続ける老舗の敏腕5代目に突撃します。

取材・文: 河合はるか
Reporting and Statement: haruka

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